“閉じた質問”と”開かれた質問”を使い分けるコミュニケーションとは?

内省・関わり
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こんにちは。

「質問の仕方だけで、患者さんの語る内容が変わる」
このことを日々、どれだけ意識できているでしょうか?

今回は、「開かれた質問(Open-ended question)と閉じた質問(Closed question)」について考えていきたいと思います。

医療者の多くは、学生時代に学ばれたと思います。

非常に重要なことだと思うので、

働き始めの新人の方や業務が多忙で最近、閉じた質問が多くなったなという方

ぜひ読んでくださいね。

今回の記事は、飯島克巳著『外来でのコミュニケーション技法』を参考に執筆しております。

医療者と患者の間の交流はすでに治療?

診療においては、医師という薬が最もしばしば処方されている

名著「The Doctor, His Patient and the Illness」の中で述べられています。医療者と患者の交流、その関係そのものが治療的ということです。

日本では、以前は「患者さんのために良かれと思うことを誠実に実践する」という「仁術」に基づく医療を行ってきました。

その影響をあり、医療にパターナリズム(父権主義的で、医師が患者の利益のために、患者の意向や自己決定権を尊重せずに、専門的な判断で治療方針を決定する考え方)という概念が使われることも増えたのだと思います。

飯島は、このような医療を「おまかせ医療」と読んでいます。

一方、現代は患者さんが主張や要求、意思決定などを明確にするようになってきており、「おまかせ医療」から、「医師と患者さん双方のコミュニケーションに基づく医療」へと変化しつつあります。

「The Doctor, His Patient and the Illness」では、医療者と患者の交流という治療について、

その薬の薬理学についてはまだよくわかっていない

とも述べています。

患者さんから、病い(illness)のナラティブを引き出す

以下は、私もついついしてしまうリハビリでのコミュニケーションです。変形性膝関節症の患者Aさんとの外来でのやり取りです。

PT
PT

今日は調子どうですか?

患者Aさん
患者Aさん

今日は膝が痛くて。

PT
PT

膝のどのあたりですか?

患者Aさん
患者Aさん

膝全体ですね。

PT
PT

腫れたりはしてなさそうですね?

患者Aさん
患者Aさん

はい。

PT
PT

昨日はいつもより歩きました?

患者Aさん
患者Aさん

はい。

こんな感じで、ざっ問診みたいな感じになることも多いと思います。閉じた質問で効率的に情報収集をしています。時間は短縮するものの、病気(disease)そのものを見ていて個人の体験によるy病い(illness)は見ていない印象です。

次はどうでしょう?

PT
PT

今日は調子どうですか?昨日は天気が良かったので、どこか出かけたりされましたか?

患者Aさん
患者Aさん

今日は膝が痛いんです。昨日も膝が痛くて、せっかくの良い天気だったのに外出できませんでした。

PT
PT

膝が痛いんですね。膝の痛みについて詳しく教えてもらっていいですか?

患者Aさん
患者Aさん

膝が痛くなったのは、一昨日の朝からで、あまり動かないようにしたんですが、昨日の朝も痛みが強かったので、痛み止めを飲んで我慢していました。

PT
PT

一昨日から痛みが出て、ずっと続くと心配になりますよね。ちなみに、痛みの部位や特徴とかはありますか?

患者Aさん
患者Aさん

膝の痛みの部位ですか?痛みとしては、膝全体な感じですね。いつもは膝の内側が痛いのですが、今回は違う感じです。痛みとしては、ズキズキする感じです。

こういった、開かれた質問で問診することができると、患者さんからの発信も増えて、より評価の質が上がりそうです。


ただ、普段の臨床では、話が右往左往して、なかなか前に進まず困ってしまうこともありますが、、、それだけ、患者さんは病い(illness)に困っているのです。

問診は、閉じた質問と開かれた質問をうまく混ぜていきながら進めていく必要がありそうですね。

患者のナラティブを医療者のナラティブに翻訳・交渉する

患者さんが語るのは、医療の言語ではありません。

医療者と患者は異文化コミュニケーションと言われていたりもします。

その、患者さんのナラティブを医療者のナラティブに翻訳して、そして、両者のナラティブを擦り合わせる(交渉)

確かに、閉じた質問は、医療者の言語に対して、Yes/Noで返答がきやすいため、医療者としては楽ですが、、、特に社会復帰を目指しているセラピストにとって、とても不十分な内容となります。

私自身、普段と何か違う違和感(症状だけでなく、表情とか話し方とか)を感じた時は、開かれた質問を意識してするようにしています。

まとめ

本日は、問診の閉じた質問(Closed question)と開かれた質問(Open-ended question)に関して考えていきました。


患者さんは医療者に伝えたいという気持ちを持っているはずです。

患者さんの主張や要求を引き出すことができることは、良い治療への一歩であること間違いなしです。

閉じた質問と開かれた質問を意識的に切り替えながら、医療者と患者の交流を進めていきたいですね。

みなさんも臨床や業務の中で問診時に気をつけていることなどあれば、コメントいただけると嬉しいです。

また、『語ることは、癒しになるのか』でも患者が語ることの効果について投稿しております。ぜひ、こちらも読んでみてください。

本日も読んでいただき、ありがとうございました。

【参考文献】
飯島克巳『外来でのコミュニケーション技法』日本医事新報社, 2006, p.1-15.

T.A

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