こんにちは。
本日は先日のナラティブ研究会を振り返ってみたいと思います。
ナラティブ研究会はWeb会議システムを使用して、月1回ペースで開催しております。
そこで、前回のテーマの一つに上がったのが『スピルチュアル・ペイン』でした。
がん患者の治療方針への決断に関する内容でした。
話題提供者の結論は、以下のとおりです。
『リハスタッフこそ、がん患者のスピリチュアル・ペインが言語化され、それを察知できる場面におり、実際に体に触れ、心に触れる職種だといえよう』
私の率直な感想は、強く共感します。そして、そうなりたいです。
スピリチュアル・ペインとは?
人生の意味や死生観に関する悩みのことです。
スピリチュアル・ペインは、全人的苦痛(トータル・ペイン)の一つで、
トータル・ペインは他に、
身体的痛み、精神的痛み、社会的痛み
が含まれます。
トータルペインの概念を提唱したシシリー・ソンダース氏は、
「人は身近に死を感じるようになると、最も大切なことをはじめなくてはという思いになるし、真実なもの、価値のあるものを求めるようになる。また、不可能なこと、無価値なことを見分ける感覚が出てくる。不条理な人生に深い怒りをもち、過ぎ去った多くのことに後悔し、深刻な虚無感にとらわれる。ここにスピリチュアル・ペインの本質がある」
と述べています。
研究会での議論を受けて、私自身は次のような問いが浮かびました。
私の思うこと
死を真近に迎えると、人はどのように人生を振り返るのでしょう?
スピリチュアル・ペインを抱えている患者の語りは、聞き手にどのような思いを抱かせるのでしょうか?
シシリー・ソンダース氏のいうスピリチュアル・ペインの本質は、
私という人を私がみている
という印象を受けます。
スピリチュアル・ペインを抱えた人に必要なのは、話題提供者の方が言われているように、
実際に身体に触れ、心に触れる他者なのではないかと思います。
患者とは違う他者は、さまざまな関係性のある方々だと思います。
以前、臨床心理士の方から
「リハビリの時間は、患者さんにとって運動だけではなく、患者さんの不安や悩みを打ち明ける場にもなっている印象があります」
と言われたことがあります。
リハスタッフは、身体的痛みを改善するということだけが、役割ではありません。
リハスタッフが、
トータル・ペインという、4つの側面が相互に影響し合っているという概念を念頭において、
役割が画一化しないように気をつけながら、臨床に取り組んでいきたいです。
本日も読んでいただいてありがとうございました。
【参考文献】
Saunders C: Hospice Future, Morgan J(Eds), Personal Care in an Impersonal world: A multidimensional look at bereavement, Mew York, Baywood, 1993, p.247-251.
T.A



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