健康の謎を解く(Unraveling the Mystery of Health)
皆さん、こんにちは。
本日は、アーロン・アントノフスキー博士について紹介します。
皆さんは、この方の名前を聞いたことがあるでしょうか?
アントノフスキー博士は、第二次世界大戦下のナチス・ドイツ軍から迫害を受けた強制収容所におけるユダヤ人の戦後のフォローアップ調査から、これまでの疾病生成論(病気とはどうしたらなってしまうのか)と異なる逆転の発想をしました。
普通、医療者は、タバコを吸うと肺の病気(肺気腫)になるとか、甘いものを食べすぎると糖尿病になるとか、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋が低下したら立ち上がりの能力が低下するとか疾病生成論で考えてしまいます。
通常トラウマなどを含めて精神的悪化が予想される強制収容所を生き延びた更年期女性のうち、7割が健康状態の悪化が見られた。多くの研究者は、こちらを分析しました。
アントノフスキー博士は、悲惨な状況下においても精神的健康状態を維持した3割に注目したのです。なぜ、健康状態を維持できたのか?ここに健康生成論(病気にはどうしたらならないのか)を見い出したのです。
健康生成論の中核とは?
健康生成論の中核は、「首尾一貫感覚(SOC:sense of coherence)」である!!
???ですよね。
SOCとは、数々のストレス要因や疾病発生要因の影響に関わらず、個体が健康を維持することができるのは何によってか。といった観点から研究・開発された指標です。
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SOCが高い 🟰 ストレス対処能力が高いと、各種疾病や社会問題のリスクを減少できる可能性がある。と覚えてください。次が大切です!!
SOCを構成する3つの要素
SOCは次の3つの要素で構成されています。
- 「把握可能感」
段取りをつけたり、将来の予測をすることができる能力 - 「処理可能感」
難しい仕事に対して、「自分には無理だ」と考えるのではなく「難しいければやればできるだろう」という感覚を持てる能力 - 「有意味感」
自分の仕事や社会・家庭での役割などに前向きな意義付けができる能力
この中で、アントノフスキー博士が、最も大切だと言っているのは、
「有意味感」です。
「有意味感」がなければ、人は把握しようとも、処理しようとも思わない
治療やリハビリに取り組む患者さんが、
「これは自分にとって意味がある」と感じられるか。
そして何より、
「自分は誰かにとって必要な存在である」
この実感こそが、心の健康を支える大きな力になります。
そもそも、すべての人は“有意味な存在”です。
まとめ
今回はアントノフスキー博士の健康生成論について、簡単に紹介しました。
「健康とは何か?」を考えるとき、病気の原因を見るだけでなく、
人が健康を保つ力そのもの に目を向ける視点が、とても大切だと感じます。
今回も読んでいただき、ありがとうございました。
T.A


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