在宅患者の介護者をめぐる支援について、
『在宅における筋萎縮性側索硬化症療養者の介護者支援に関する一考察』という症例・事例報告をもとに、ナラティブ研究会を開催しました。
本論文は、在宅介護における主介護者支援の限界と課題を、
1事例の経過を通して検討した質的事例報告です。
家族の介護負担を考慮し、在宅サービス導入が提案されますが、
患者や家族はその利用に抵抗感を示します。
支援が進むなかで、介護負担感はむしろ増大し、
最終的には在宅療養の継続が困難となっていく経過が描かれています。
文献の中では、医療スタッフや患者・家族が抱える苦悩が、
抽象化されることなく、現場の空気感を含めたかたちで記述されておりました。
研究会では、
・現象学的な視点
・患者や家族の背景、関係性
・ケア(care)とキュア(cure)の違い
・スピリチュアルペインとサファリング
・傾聴の意味と限界
・医療人類学的視点
など、さまざまな観点から議論が行われました。
医療では、状態や経過を分類やステージに分けて整理することが多くあります。
それによって共通言語をもって患者さんを理解できる一方で、
個々の生活や関係性が、やや形式的に解釈されてしまう可能性もあるのかもしれません。
本研究会では、そうした前提を取り入れたり一度置いたりしながら、
事例の経過や語り(ナラティブ)を丁寧に読み直す時間となりました。
本研究会の内容や、ナラティブ研究会の活動にご関心をお持ちの方は、
お問い合わせフォームよりご連絡ください。
【参考文献】
古川博章ら:在宅における在宅における筋萎縮性側索硬化症療養者の介護者支援に関する一考察.地域理学療法学.2025;4(2):143-150.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjccpt/4/2/4_JJCCPT24012/_article/-char/ja/


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