動いてもらうために — 離床を拒まれたときの私の迷い

内省・関わり

臨床にいると、離床に消極的な患者さんには多く出会うと思います。

今日は、そんなとき私自身が考えることを整理するという意味で記述していきたいと思います。

なぜ、離床に拒否を示すのかの理由を探すこと。
そして、それぞれで代替案を提案します。

身体症状として問題があるのか
あらかじめ、カルテにて把握はしていますが、発熱や倦怠感、痛みの増強がないかを確認します。もし、何らかの身体症状があれば、場合によっては医師や看護師に報告します。
そして、大きな問題がなさそうであれば、当初のリハビリプログラムを変更して、体調に合わせてのリハビリにします。

・心理的な何かがあったのか
身体症状や病状に問題がない場合、心理的に落ち込んでしまうような出来事がなかったかを確かめます。医師の説明や今後の方針や家族とのことで、何かあったのかなと考えます。
もし、それらが理由でリハビリ意欲が湧いてこないのであれば、時間変更等を提案しているように思います。ただ、この時間変更は、病院の性質の上で可能な対応であるかが決まってくるかと思います。

痛み等による恐怖や不安が原因の場合
セラピストがどれだけ気をつけていても、離床の際は、血圧の変動や痛みの出現が避けられない場合があります。それに伴う、恐怖や不安が原因で離床に消極的である場合は、それらに対するできる限りの対策をとって実施すること。予想させる症状などを丁寧に説明して、場合によっては、他の方の援助や福祉用具等の使用を検討します。

上記以外の場合
これまで考えられた原因以外の場合。
例えば、元々リハビリに消極的であったり、何となく気が進まないなどの場合もあるかと思います。
そんなときは、患者さんの医療的な状況を踏まえて、
2つの選択肢を思い浮かべている気がします。
1つ目は、受け入れてくれる範囲でのリハビリを提案して、
している中で離床まで可能であれば実施。
もし、離床が難しければできる範囲内での実施。
2つ目は、離床の必要性を十分に説明して、諦めずに離床を提案し続ける。
場合によっては、多職種を巻き込んで説明します。
それでも、むずかしければ、現実問題難しいのでリハビリプログラムを変更します。
ただ、どうしても離床によるメリットが大きいと考えている場合は、
どちらかというと離床ありきの言動や行動をとっています。

私はおそらくこう考えていますが
でも、本当にそれでいいのかはいつも迷っています。

廃用を進ませてはいけないという責任感
予定通りに進めたいという思い
「動けるはずなのに」という専門職としての判断

それらは、患者さんのためであると同時に、
私自身が納得するためのナラティブであるかもしれません。

離床を拒まれるとき、
私は「どうすれば動いてもらえるか」を考えているつもりで、
実は「どうすれば自分が納得できるか」を考えているのかもしれません。

だからこそ、リハビリの時間とは別に、
短い時間でも訪室するようにしています。

その時間は、説得のためというわけではなく、
リハビリ時とは違うセラピスト感満載の自分ではなくて、お互いに少しリラックスした状況で少しでもお話しすることで、患者さんの人となりが見えてくることがあるためです。

離床というやりとりで、患者さんだけではなく、
医療者としての自分自身の「あたりまえ」とも向き合っているのだと思います。

※本投稿は、筆者の個人的な臨床経験に基づく考えです。特定の患者さんや事例を示すものではありません。

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