青木 卓也

内省・関わり

動いてもらうために — 離床を拒まれたときの私の迷い

臨床にいると、離床に消極的な患者さんには多く出会うと思います。今日は、そんなとき私自身が考えることを整理するという意味で記述していきたいと思います。なぜ、離床に拒否を示すのかの理由を探すこと。そして、それぞれで代替案を提案します。・身体症状...
文化・医療人類学

意味は、語りの中で探されている— 解釈学的アプローチから考える臨床の聞き方 —

人は語るとき、それほどうまい語り手ではなくともある道筋に沿って話す(話しているつもりである)。聞き手にとってストーリーが見えやすい場合もあれば見えにくい場合もある。聞き手がそのストーリーを見いだすのは、まずなんらかの「脈絡(文脈)」つまり「...
ナラティブ・語り

病いと不幸の物語

心身の不調を説明する特徴として、なぜ、どのようにその人が病気になったかということが、「物語/ナラティブ」の形で語られることがほとんどです。「病気の物語」を語ることは病気に「意味」を与えるという役割を持っています。特に個人的な苦しみの物語は、...
内省・関わり

セラピストが患者さんを一言で表すとき

「あの患者さん、キャラが強くてさ」臨床の中で、こんな言葉を耳にしたことがあるセラピストは少なくないと思います。もしかすると、自分自身が使ったことがある人もいるかもしれません。この、キャラクター(いわゆるキャラ)について考えてみます。「キャラ...
読書メモ

「ふつう」ってなんだろう-病気と健康のあいだ-を読んで

本日は、『「ふつう」ってなんだろう 病気と健康のあいだ』(講談社現代新書)を読んだ感想です。筆者は、立命館大学大学院先端総合学術研究科教授で社会学者で、神経内科の専門医でもある美馬達哉先生です。本書の中では、馴染みのある疾患や、初めて聞く疾...
質的研究

質的研究の理論的飽和とは?

質的研究は理論的飽和となるまでインタビューやアンケートを続ける。質的研究に関して「理論的飽和」という言葉を耳にすることがあると思います。今日は、この「理論的飽和」について、簡単に解説します。質的研究と量的研究の大きな違いの一つがサンプル数の...
内省・関わり

セラピストのあたりまえ

医療者が臨床で、「もやもや」を感じたとき、自分自身の「あたりまえ」を問い直すことから他者理解へと繋げることの大切さを訴えてきました。※こちらの記事を参照↓「医療者がもやもやを感じたとき」本日は一般的なセラピストのあたりまえについて考えてみま...
内省・関わり

「リスクを自覚せよ、そして適度に心配せよ」

「リスクを自覚せよ、そして適度に心配せよ」この言葉は医療人類学者の磯野真穂さんの論文より引用したものです。現代の予防医学が患者さんに無理な要請をしているのではないかという問いを的確に表しています。磯野先生は、心房細動によってリスクが増大する...
ナラティブ・語り

「議論しましょう」から始まった質的研究とナラティブ

私がナラティブや質的研究に興味を持つことができたのは一人の恩師との出会いです。それが、故 沖田一彦先生(県立広島大学)です。今日は、沖田先生がくれたご縁を振り返りながら、ナラティブと質的研究について考えてみます。高校時代|身体の話と生活の話...
内省・関わり

医療の常識に抗うのは非合理的なのか?

医療の常識は科学的であり根拠のあることだと考えている医療者は多いでしょう。一方で、その医療の常識に対して拒否反応を示す患者さんもいます。そんなとき、医療者は患者さんを不正確な知識を持っており、合理的な選択をできていない人だと思うことはないで...