青木 卓也

内省・関わり

医師の白衣から連想されること

医師は今でも白衣を着ていることが多いと思います。当然のことですが、病院での白衣という服装は、理系の研究者や技術者とは異なる種類の連想を生んでいると思います。医療人類学では、これを「儀礼的な象徴(symbol)」と読んだりします。これは、使わ...
文化・医療人類学

医療人類学は、臨床のどこで役に立つのか

当ブログでは、「文化・医療人類学」というカテゴリーを作成しています。医療人類学は、日々の臨床や医療者や患者関係を考える上で多くの視座を与えてくれます。本稿では、医療人類学が「知識」として役立つというよりも、臨床のどの場面で、どのように思考や...
ナラティブ・語り

病名の向こう側

臨床で働いていると、例えば、脳梗塞の方をリハビリテーションすることになったとき、中大脳動脈か内頸動脈なのかといった、脳梗塞の起こった部位アテローム性か心原性かといった、脳梗塞の種類運動・感覚麻痺の重症度高次脳機能障害の有無など、医学的な視点...
読書メモ

人間関係の葛藤

社会心理学者の三浦麻子さんの著書『「答えを急がない」ほうがうまくいくーあいまいな世界でよりよい判断をするための社会心理学』より、人間関係の葛藤に関する部分がありました。今回は主に医療者と患者ではなく、職員間の人間関係について考えてみます。集...
内省・関わり

生活史の情報を得るには?

以前の投稿で、『語ることは癒しになるのか』で語ることによって、自分の生活史を客観的に振り返ることができて、患者さんにとって一種の癒しの効果があった事例を紹介しました。今回は、病みの軌跡(illness trajectory)で有名なストラウ...
内省・関わり

テクノロジーと医療

米国の医療コミュニケーション企業 PatientPoint® が公表した「2025 Patient Confidence Index」では、患者が感じる信頼やコミュニケーションの質が、医療に対する意思決定や体験に影響しうることが示されていま...
文化・医療人類学

人類学者から学ぶ、信頼関係の構築

人類学者はフィールドワークといって、研究対象の現場(フィールド)に直接足を運び、観察や聞き取りを通じて肌で感じる生きた情報を得ようとします。その際、特定のコミュニティに入り込み、人々の生活や文化を観察・記録します。そのため、対象集団あるいは...
内省・関わり

印象に残った事例の分析(Significant Event Analysis:SEA)

臨床で事例や症例を通じて、医学的な検討という形で考える場はあるかもしれません。一方、医療者はそのとき、どう思ったか、どう感じたかどうしたらよかったと思うかのように、感情を含めて振り返ってみる機会はほとんどありません。このような振り返りを、系...
内省・関わり

医療者が生活について聞くと「医療寄りの話」になる

臨床の中で、ありのままの生活状況を聞いたときに、「家では壁をつたって歩いています」「階段は上がらないようにしています」「息子が色々と手伝ってくれます」このように、まるで私たち医療者に取って必要な情報だけを話してくださっていると感じたことはあ...
ナラティブ・語り

理学療法士として、“もやもや”を抱えて臨床に立つ——リハビリ拒否と、患者の言葉の前で

私は、理学療法士免許を取得し、急性期病院に勤めて十年を越えています。入職当初は、担当患者さんに初めて訪室するときなど、緊張して何と声を掛けたらよいのか分からず、悩んでいた記憶があります。入院後一日目からリハビリが始まることも多く、生活者から...