ナラティブ研究会

ナラティブ・語り

答えを出さない医療のプロフェッショナル

このブログは、できるだけ答えを出さないようにしています。言い方を変えれば、答えを出すことができ難いテーマを取り扱っています。医療の現場では、私たちは常に判断や答えを求められます。評価はどうか。統合と解釈はできているか。治療の効果は出ているか...
文化・医療人類学

サファリング(suffering)とは?──Kleinmanが問う「苦しみ」という経験の本質

医療人類学者のアーサークラインマンが広めたサファリングについて簡単に説明します。サファリング(suffering):人がつらい・苦しいと感じていること「個人が価値あるもの(身体、自己、家族、役割、将来)を失う、あるいはそれらを失うと感じるこ...
ナラティブ・語り

数値は改善しているのに、満足していないように感じる

臨床をしていると、血液データや身体機能は明らかに改善しているのに、患者さんは満足していないように感じる。そんな経験はないでしょうか?これも、医療者と患者の異文化コミュニケーションの一つだと思います。医療者と患者の文脈が違うために起こるズレだ...
内省・関わり

がんと診断された日に、妊孕性温存の話をするということ

こんにちは。先日、がん患者さんの妊孕性温存をテーマにした研修会に参加しました。AYA世代のがん患者さんの妊孕性温存について、多職種からの講演が行われた研修会でした。正直に言えば、妊孕性温存というテーマは、がん治療そのものに直接関わらない職種...
内省・関わり

『病みの軌跡』とは?──慢性疾患の経験を「旅」として捉え直すコービン&ストラウスの理論

社会学者のA.ストラウスと看護師であるJ.コービンらは、慢性疾患について、時間の経過につれて悪化したり回復したりと多様に変化していく生理学的な病状の行路(「疾患コース」course of illness)だけでなく、患者と家族、および保健医...
ナラティブ・語り

現場を変えるのは、一人の患者

こんにちは。このブログを読んでる方は、医療の臨床で働いている方がほとんどだと思います。本日のお話は、臨床が変わる時、一人の担当患者さんとの経験であることが多いということです。私が文化人類学会に参加した際に、医療人類学者の先生に「医療は、量的...
研究会の記録

スピリチュアル・ペイン

こんにちは。本日は先日のナラティブ研究会を振り返ってみたいと思います。ナラティブ研究会はWeb会議システムを使用して、月1回ペースで開催しております。そこで、前回のテーマの一つに上がったのが『スピルチュアル・ペイン』でした。がん患者の治療方...
文化・医療人類学

“病い”と”疾患”──Kleinmanの中心概念が教えてくれる、医療のすれ違いの構造

皆さんは、病気と疾患、病(医療人類学・医療社会学では病いと表記します)という言葉を聞いたことがあると思います。この言葉にはどのような意味の違いがあるでしょうか?その意味の違いを明確に説明できますか?まず、疾患とは英語でdiseaseとなりま...
内省・関わり

アートは最強の医療教育ツール?──医学と人文学の燃え尽き症候群における関係

こんにちは。本ブログは、ナラティブを大切にし、医学だけでなく、文化や社会から医療を考えています。今回のテーマは、医学(サイエンス)と人文学(アート)の意外な関係です。医療職は、理数系のイメージがありますよね?でも、臨床で働いていると、確かに...
ナラティブ・語り

リハビリテーション意欲のナラティブ──「やる気」は気持ちの問題ではなく、生活史の問題である

リハビリテーション意欲(リハ意欲)の起源(参考文献を元に筆者が作成)リハ意欲って何だろう?こんにちは。本日は医療者向けの投稿です。テーマは「リハビリテーション意欲」。※本記事には筆者の個人的見解も含まれます。臨床のなかで「意欲的な患者さん」...