2026-05

ナラティブ・語り

「なんでかはわからないが、よくなったのは確か」——疾患と病い、二つの「治る」

医師であり患者でもある人の言葉から、「治る」には医療者の文脈と生活者の文脈という二つの世界があることを考えます。クラインマンの疾患(disease)と病い(illness)の区別をもとに。
ナラティブ・語り

医療者どうしでナラティブを語り合うこと——省察的実践という視点から

臨床のもやもやは「解決すべき問題」なのか——ショーンの省察的実践という概念から、医療者どうしで語り合うことの意味を考えます。
文化・医療人類学

受療行動(illness behavior)——人はなぜ、いつ、どこで助けを求めるのか

心身の不調を感じたとき、人がとる行動は「症状の重さ」だけでは決まりません。医療人類学の「受療行動(illness behavior)」という概念から、患者さんが受診に至るまでの複雑なプロセスを4つの要素とクラインマンの3セクターとともに整理します。
質的研究

質的研究の妥当性、どう示せばいいのか——トライアンギュレーションと厚い記述という考え方

質的研究を進めるうえで悩ましい「妥当性をどう示すか」という問題。医療領域で特に強く問われるこの課題に対し、トライアンギュレーションと厚い記述という2つのアプローチをわかりやすく解説します。
内省・関わり

患者さんの言葉の背景を知ること——私たちは何色の虫メガネで聴いているか

医療者はいつの間にか「医療色の虫メガネ」をかけて患者さんを見ています。尾藤誠司先生の「医師アタマ」とKleinmanの「説明モデル」から、患者さんの言葉の背景を聴くことの意味を考えます。
質的研究

「理論的サンプリング」という言葉の正確な意味——M-GTAにおける比較と確認の論理

M-GTAにおける「理論的サンプリング」の意味を正確に整理します。ランダムサンプリングとは異なるこの概念の本質と、オリジナルGTAからM-GTAへの再規定の経緯、「方法論的限定」という発想を解説します。
読書メモ

「リハビリテーション」という言葉が本来意味するもの——読書メモ

毎日口にしている「リハビリテーション」という言葉の語源と、上田敏先生が1969年に提唱した「全人間的復権」という定義を辿りながら、日本のリハビリテーションの歴史と臨床の本質を考えます。
ナラティブ・語り

「待っているに違いない」——ペットが入院患者さんに持つ意味を考える

入院リハビリ中、いつも「早く会いたい」と語る患者さんがいました。ベッドサイドの写真、語られるエピソード、そして「待っているに違いない」という言葉。ペットは単なる癒しではなく、入院という断絶の中で「日常の自分」をつなぐ存在なのかもしれません。
内省・関わり

無症状という難しさ——「痛くないのに、なぜ?」と言われたとき

骨折後の患者さんに「痛くないのに、なぜ松葉杖を使わないといけないの?」と言われたとき、うまく答えられなかった経験があります。この問いを、クラインマンのillnessとdiseaseという概念から考えてみます。
内省・関わり

あの患者さん、今どうしているだろう

急性期病院で働いていたころ、退院した患者さんのその後が気になることがありました。「あの人、今どうしているだろう」——その問いは、医療者としての関わりを振り返るきっかけになります。