ナラティブ研究会

ナラティブ・語り

伝える準備──難しいことを患者・家族に話す前に、医療者が整えておくべきもの

本稿は、ナラティブ研究会での検討資料となったエッセイです。記載内容は個人情報保護の観点から、背景・状況・属性等を一部改変し、複数事例を再構成しています。理学療法士として急性期病院に勤務して数年が経った。理学療法士は医療職の中でも患者さんと接...
読書メモ

医療者-患者関係と心理的安全性

心理的安定性とは、「この場で発言したり失敗したりしても、バカにされたり評価を下げられたりはしない」とメンバーが感じられる状態を指す概念です。この概念は、組織の風土や環境について論じられることが多いです。そんな中で、医師と患者や家族との関係性...
内省・関わり

なぜ、リハビリは“一生懸命”でなければならないのか

リハビリテーション効果は、患者さんの取り組み方に大きく影響します。そして、社会的には「一生懸命に取り組むべきもの」と考えられています。社会学者であるパーソンズは、「病気は生理学的な異常であると同時に社会的な逸脱の一種である」としています。こ...
文化・医療人類学

説明モデル(Explanatory Model)──患者・医療者・社会、それぞれの「病気の意味」

アーサー・クラインマンは、病いがパターン化され、解釈され、治療されるプロセスを見るための方法として、「説明モデル(Explanatory Model)という言葉を作りました。説明モデルは、「臨床過程に従事するすべての人にとっての、病気のエピ...
ナラティブ・語り

時間から考える”病い”──慢性疾患を生きる人の「時間の感覚」について

皆さまこんにちは。私は理学療法士という医療者であり、脳腫瘍を患う病者/患者でもあります。そんな私の経験を語るために、投稿いたします。どうぞお付き合いください。今回は人類学者としてご活躍される磯野真穂先生の著書「他者と生きる リスク・病い・死...
ナラティブ・語り

EBMとは?

EBM(Evidence-Based Medicine)とは、「根拠に基づく医療」のことです。EBMという言葉は、1990年初めにカナダのマクマスター大学のGordon GuyattやDavid Sackettらによって使われたのが始まりで...
ナラティブ・語り

研究会の振り返り──対話を重ねて見えてきた、ナラティブ研究の意味

ナラティブ(語り)がなぜ重要なのか。一見、医療の世界とはズレている患者の語りに耳を傾けるとき、時間的な制約も多い臨床の場面で、医療的に、もっと重要なことがあるのではないかと感じてしまうかもしれません。私自身も、自分の必要な情報を取得するため...
ナラティブ・語り

答えを出さない医療のプロフェッショナル

このブログは、できるだけ答えを出さないようにしています。言い方を変えれば、答えを出すことができ難いテーマを取り扱っています。医療の現場では、私たちは常に判断や答えを求められます。評価はどうか。統合と解釈はできているか。治療の効果は出ているか...
文化・医療人類学

サファリング(suffering)とは?──Kleinmanが問う「苦しみ」という経験の本質

医療人類学者のアーサークラインマンが広めたサファリングについて簡単に説明します。サファリング(suffering):人がつらい・苦しいと感じていること「個人が価値あるもの(身体、自己、家族、役割、将来)を失う、あるいはそれらを失うと感じるこ...
ナラティブ・語り

数値は改善しているのに、満足していないように感じる

臨床をしていると、血液データや身体機能は明らかに改善しているのに、患者さんは満足していないように感じる。そんな経験はないでしょうか?これも、医療者と患者の異文化コミュニケーションの一つだと思います。医療者と患者の文脈が違うために起こるズレだ...