ナラティブ研究会

読書メモ

「人間理解」は共感であり、切り離す、2段階構造

恩蔵絢子著「感情労働の未来ー脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?」(2026)の中で、「共感=人間理解」という理解では、うまくやっていけない可能性を指摘しています。共感することは人とわかりあえたという感じのすることであり、「共感=...
文化・医療人類学

医療の社会的背景を「役割」で考える

アメリカの社会学者のタルコット・パーソンズの「病人役割」という概念「病気は生理的な異常であると同時に社会的な逸脱の一種である」つまり、病人になるということは、労働などの社会的役割の責任が免除されると同時に、医療者に従い、快復にむけて懸命に努...
文化・医療人類学

生活習慣は、そんなに簡単には変えられない

人生において、健康診断あるいは、何らかの診断、疾患をきっかけに、生活習慣を見直すよう求められることは少なくありません。食事を変える、運動をする、仕事の業務内容を調整する、睡眠を確保する。医療の現場では、それらが「必要な行動変容」として語られ...
内省・関わり

プロフェッショナリズムとしてのEBM、その現実

みなさんは、臨床現場でEBMを実践していますか?根拠のない治療は実施しないようにしている。最新の治療を提供するために日々論文を読んでいる。患者さんの要望を聞きながら取り入れるようにしている。医学は科学的であるべきですから、根拠のある医療、つ...
読書メモ

「良心」があるほど苦しくなる—感情労働としての看護

本ブログには、理学療法士だけでなく看護師の方の訪問もあります。患者さんの苦しみを大切にするのと同時に、医療従事者の苦悩を知ることもまた大切だと感じています。武井麻子「感情労働と看護」(2002)を読むと、その苦悩が個人の努力や性格だけではな...
内省・関わり

感情労働と医療のナラティブ──「感情を管理する」ことの意味を問う

「感情労働(emotional labour)」とは、労働者が、他者(顧客など)から観察可能な感情表出(表情や身体表現など)を自ら意図的に作り出すことを必要とする労働Hochschild AR: The managed heart: The...
ナラティブ・語り

医療者の苦悩をナラティブで──言葉にすることが、癒しになる理由

はじめに:医療者の苦悩をナラティブから捉える今回は医療者の苦悩の困難さについて、ナラティブの観点からまとめます。*今回の記事は主に下記の論文を参考にさせていただきました。→西倉実季:「病いの語り」.質的心理学フォーラム.2019;11:p5...
内省・関わり

一人の患者と集団としての患者──「患者になる」という選択は、誰がするのか

患者になるかどうかは患者が決める名郷直樹 著(2007):『医師アタマー医師と患者はなぜすれ違うのか?』.尾藤誠司 編医学書院.,p188-194上記は、医師と患者のすれ違いについて、「医師アタマ」:自然科学としての医学に依拠する医師アタマ...
内省・関わり

多職種からなる専門職のアイデンティティ──連携の現場で「自分らしさ」はどこにあるのか

医療や介護の現場には、多職種が勤務しており、それぞれが専門性を持って働いています。専門職が患者さんにとって最善と考えられる対応をしています。そんな中で、どこからどこまでをどの職種が担当するのか。この業務は・・・の仕事であるこの業務は・・・の...
質的研究

リハビリテーション分野と質的研究──数字に還元できない経験を、どう研究するか

一人の学生が暗い夜に外を歩いていました。ある道門で、リハビリテーションの研究者と臨床家が地面に這いつくばって何かを探していました。聞くと、一人が鍵を落としたのだといいます。学生が、「どの辺りに落としたか覚えていないのですか」と問うと、彼らは...