青木 卓也

内省・関わり

医療で語られるリスクとは

普段の臨床で、「リスク」という言葉を使用する機会は結構多いのではないでしょうか?私は理学療法士なので、「Aさんは、足関節の背屈が弱いので転倒のリスクが高いです。安静度に関しては、慎重にいったほうがいい」や新人理学療法士に「Bさんは心房細動の...
研究会の記録

在宅患者の介護者

在宅患者の介護者をめぐる支援について、『在宅における筋萎縮性側索硬化症療養者の介護者支援に関する一考察』という症例・事例報告をもとに、ナラティブ研究会を開催しました。本論文は、在宅介護における主介護者支援の限界と課題を、1事例の経過を通して...
ナラティブ・語り

変化する語り(ナラティブ)をどう捉えるか?

医療者は病いの語り(ナラティブ)の読者であるという立場は、臨床での患者さんを知ることにつながります。一方で、病いの語りは頻繁に変化し、強固な思いではないのではと感じることがあります。何を、どのように語るのか。それは、場所や時間、関係性により...
内省・関わり

「専門職としての私」と「生活者としての私」

人類学や現代思想の中で、「分人主義」という概念があります。これは、人間を一つの人格や心を持った分割不可能な「個人(individual)」とみるのではなく、周囲の人びとや環境との関係性からなる「分人(dividual)」の集合体や束のような...
内省・関わり

どのように書物を読むべきか ― 臨床における〈読む〉という実践

音楽や文学などの人文学に接している医学生の方が、医療現場でよく起こる「不確実性への耐性」があるという報告がありました。それでは、今回は、どのように人文学に接するべきかについて、文学を例に考えていきたいと思います。参考にしたのは、コロンビア大...
内省・関わり

出来事から専門職性はどう育まれるのか

臨床の中で起きた出来事を感情を含めて振り返ることはありますか?重大な事例・症例に関わった医療者(特に医師)が自ら、あるいは同僚や医療チームを巻き込んで詳細に、かつ系統的に省察することで、今後の改善につなげていくための手法をSEA(Signi...
ナラティブ・語り

ナラティブを聞く前に必要だったこと

学生時代の臨床見学実習の時のことです。ある男性患者さんの平行棒内歩行練習を見学していました。当時の私は医学知識もほとんどなく、患者さんに対して「痩せていて筋力が落ちてしまっているんだな」という印象を持っていました。車椅子に座って休憩している...
ナラティブ・語り

ナラティブで大切なこと

ここまで、医療やナラティブ、文化・医療人類学について、いくつもの文章を書いてきました。振り返ると、扱っているテーマは多様に見える一方で、何度も同じ場所をぐるぐると歩いているような感覚もあります。今日は、それらを整理するというよりも、このブロ...
内省・関わり

医療と現象学

医療の分野では、現象学について議論されることが時折あります。結論から述べると、医療は「客観的事実」だけでは完結せず、「経験としての病い」を必ず扱うことになるからです。医療は「疾患」と「病い」を同時に扱う疾患(disease)と病い(illn...
文化・医療人類学

病者から患者になるとき

前回、「儀礼的な象徴(symbol)」として、医師が白衣を着るといういうことについて解説しました。今回は、「儀礼(ritual)を引き合いに出して、病いの社会的な意味について考えていきます。病者から患者になるときとは、入院という儀礼によって...